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2011月07月04日

高いがん細胞殺傷能力を有する高純度のナチュラルキラー細胞の選択的増幅培養 技術に関する特許を出願 〜難病の免疫細胞治療への技術突破

■概要

九州大学大学院薬学研究院・革新的バイオ医薬創成学の米満吉和教授のグループは、高いがん細 胞殺傷能力を有する高純度のナチュラルキラー細胞に関する全く新しい選択的増幅培養技術を開発 し、同技術に関する特許について、東京大学発細胞治療ベンチャー企業であるテラ株式会社(本社: 東京都千代田区、代表取締役社長:矢崎雄一郎)と共同出願いたしました。

この技術で増幅培養されたナチュラルキラー細胞は、その高い細胞殺傷能から、難治性の感染症 やがんなど、幅広い疾患に対する高い治療効果が期待されます。

 

■背 景

ナチュラルキラー細胞(以下 NK 細胞)とは、白血球成分に含まれ、高いがん細胞殺傷能力(細胞傷 害活性)を持つ細胞であり、ウイルス感染細胞やがん化した細胞を攻撃し、病気を未然に防いでいます。 NK 細胞は感染症やがんの免疫細胞療法に適した免疫細胞であると期待されてきましたが、これまで の研究では、効率の良い NK 細胞の増幅と活性化は技術的に困難でした。事実、これまで論文報告され てきたいずれの培養法でも、増幅前の NK 細胞と同程度以上の細胞傷害活性を持つ NK 細胞が 10~60% 程度と十分でないため、欧米を中心に実施されてきた臨床試験における治療効果は低く、世界中の研究

者がこの課題の克服に取り組んでいるのが現状です。

 

■内 容

今回の新技術は、非常に高い細胞傷害活性を有する NK 細胞を、簡便かつ 90%を越える高純度で数百 倍に増幅することを可能としています。具体的には、本技術で培養された NK 細胞のほぼ100%がリ ンパ球系細胞の活性化マーカーである CD69 を発現(培養前:5〜10%)し、かつ細胞殺傷分子であ るパーフォリンおよびグランザイムの細胞内含有量が、培養前と比較して約4〜10倍へ増加します。 さらに NK 細胞活性の指標として標準的に使用される K562 細胞に対し、細胞比=1:1かつ2時間と いう短時間で、ほぼ100%の細胞殺傷効果を再現性良く得ることが可能になりました。

以上の成績は、これまで報告された培養法と比較して格段に高い増幅・活性化 NK 細胞を得る技術が 確立されたことを意味し、医療現場への貢献のみならず産業上の有益性が見込まれることから、今回の 特許申請に至りました。

 

■効 果

本技術を用いることで、NK 細胞の細胞傷害活性を飛躍的に高めることができることから、少ない投 与回数かつ少ない細胞数で高い感染寄生体除去効果、抗腫瘍効果が得られると考えられ、幅広い疾患に 対する NK 細胞を用いた効果的な免疫細胞治療の開発へとつながることが期待されます。

 

■今後の展開

既にマウスがん治療モデルにおける高い治療効果も確認されていることから、今後は臨床試験を前提 としたスケールアップ培養法を確立し、早期の医療現場への還元を目指します。

 

【お問い合わせ】

大学院薬学研究院教授 米満 吉和(よねみつ よしかず) 電話/FAX:092-642-4777 Mail:yonemitu@med.kyushu-u.ac.jp

 

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2011-07-04 Press Release

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