教授挨拶

教授挨拶

バイオテクノロジーと医療技術の融合医学へのいざない

九州大学大学院薬学研究院 革新的バイオ医薬創成学
米満吉和

 ようこそ! 九州大学革新的バイオ医薬創成学のホームページへ!

 本研究室は平成21年10月に発足し、次世代バイオ医薬を創造するための基盤研究/臨床開発の拠点として成長を続けています。



1.講座設置の目的

 本研究室の目的は、

1)難治性疾患を「難治」たらしめている分子・細胞メカニズムを明らかにすること、

2)難治性疾患に対する革新的な次世代細胞・遺伝子医薬品候補の基盤技術を開発すること、

 そして、

3)基礎・基盤研究に留まらず、これらの成果をベッドサイドへ届けるためのトランスレー   ショナルリサーチを推進すること、

です。


2.目的遂行のための基盤テクノロジー

 革新的な次世代バイオ医薬を創造していくためには、優れた技術を駆使することは必須ですが、一方で市場へ出て広く患者さんへ使われていくためには、国際的な観点からも競争力が高く、かつ強固な特許クラスターを形成させて行くことが必須です。さらに広く経済的にも合理的に患者さんへ提供していくためには、産業化・工業生産の視点は欠かすことができません。そのために当研究室では、大学内のみならず、ベンチャー企業・製薬企業などとの積極的な共同研究を推進しています。


センダイウイルスベクター(rSeV)

 本研究室では、国家プロジェクトとして設立されたディナベック社が開発し、世界中に対しその強固な基盤特許・用途特許群クラスターの形成に成功している「組換えセンダイウイルスベクター(rSeV)」を使用します。rSeVの優れた特徴は別項に譲りますが、私達が10年以上研究を進めてきたこのベクターの基本的な生物学的性質にとことんこだわり、これを最大限に活用することにより、これまでの技術では到達不可能だった画期的レベルの治療法の開発を目指します。


治療用細胞培養・GMP製造技術

 iPS細胞を含む多様な細胞を用いた再生・細胞医療は、今後の医療を大きく変えるポテンシャルがあると期待されており、国も今後多額の投資をして開発を促進すると報じられています。一方で、これまで我が国で薬事承認を得た再生・細胞医療は皮膚と軟骨などに限られており、既に欧米はおろか中国・韓国・シンガポールにも大きく遅れをとりつつあります。

 そこで私たちはこれら多種多様な治療細胞群に対し、臨床的な使用に耐えうるレベルであり、かつ将来の産業化を想定した画期的培養技術を開発しています。

 例えば、最近の免疫学の進歩により、樹状細胞(DC)やNK細胞等の機能・重要性が明確になり、これらを用いたがん治療が検討されていますが、その細胞の製造方法や品質管理、また臨床効能などについては多くの問題が山積しています。私達はこの問題を一挙に解決すべく必要な要素技術の開発を進め、高品質かつ均一な品質の治療用細胞を安定的に供給するシステムの構築に必須の基盤技術の開発に成功しました。現在は、まずこの免疫系細胞医薬品のための治験薬製造開発に取り組んでいます。


3.研究体制

 このような目的を効率的に遂行するため、我々の研究室は「ヘテロ」な研究者集団で構成されています。私は循環器・血管外科を専門とした医師であり、スタッフには分子生物学や免疫学に強い基礎研究者がいます。一つの専門分野に固執せず、循環器系のみならずがんや遺伝性疾患などの難治性疾患患者さんにとって最もよい治療技術について、集学的観点からアプローチします。

 トランスレーショナルリサーチを効率的に遂行し、劇的な治療効果を示す新しい医療技術を開発するには、このような基礎研究者と臨床医の知識と技能を有機的に結集させることが最も重要です。


 以上の目的を達成するために、最も重要なのは20-30代の若い力です。そのため、学部学生や大学院生諸君の参加を大いに歓迎します。いつでも研究室へ遊びに来て下さい。ただし一度足を踏み込んだら、決して楽はさせません。我々の目標は現在治療法が無い難病に苦しむ患者さんの希望となる技術の開発であり、安易に達成出来るものではありません。研究の苦しさなど、患者さんのつらさには比べるべくもありません。

 しかし成功した暁には、大いなる希望と何物にも代え難い充実感に満たされることでしょう。


 そして患者さんの治療技術を開発するために、医師・医療関係者である必要はありません。各人が各人の最も得意とする知識・技能を持ってきて下さい。知識・技能、そして違った研究環境で育ってきた個性のぶつかりあい、そのchemical reaction(化学反応)から、きっと新しいもの、そして飛躍的な概念突破が生まれてくるはずです。


バイオテクノロジーと医療技術の融合医学へようこそ!

我々は、あなたの若い力を必要としています。

ページトップヘ